子ども食堂は誰のため?拡大する役割と支援の課題
子ども食堂の進化とこれからの課題
子ども食堂は、もともと子どもの貧困対策として始まりましたが、
近年では地域の「居場所」としての役割も強まっています。
しかし、運営団体の多くが食費の高騰に直面し、赤字経営を
強いられているのが現状です。本記事では、子ども食堂の歴史や
現状を踏まえ、持続可能な仕組みについて考察します。
子ども食堂の発展と役割の変化
子ども食堂が日本で広がり始めたのは、2010年代前半です。
東京都大田区の「気まぐれ八百屋だんだん」を営む近藤博子さんが、
2012年8月に「だんだんこども食堂」を開設したことが、
その先駆けとされています。
当初は貧困家庭の子どもたちに栄養バランスの取れた食事を
提供することが目的でした。しかし現在では、地域住民の交流の場
としての機能も果たし、共働き世帯の子どもや一人暮らしの高齢者が
利用するケースも増えています。
「食の提供」だけでなく、「居場所づくり」という視点が
重要になっているのです。
子ども食堂の数も年々増加しており、2022年時点で全国に約7,363か所
(認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえの調査)と
報告されています。
これは2018年の3,718か所と比べても約2倍の増加です。現在では
1万か所以上と推定され、中学校の数(約1万校)とほぼ同じ規模
になっています。
インフラの一部となっていると言えます。
子ども食堂の増加推移
以下のグラフは、2018年からの子ども食堂の増加傾向を示しています。
2018年: 3,718か所2020年: 4,960か所2022年: 7,363か所2024年: 10,000か所以上(推定)
2010年の社会背景と子ども食堂の誕生
2010年前後、日本はリーマンショック(2008年)の影響を受け、
経済的困窮に陥る家庭が増えていました。2010年には日本の子どもの
貧困率が16.3%(厚生労働省調査)と過去最高水準に達し、
社会的支援の必要性が高まりました。
経済政策が進められる一方、社会福祉の拡充は十分ではありませんでした。
こうした状況の中、民間主導の支援活動が重要視されるようになり、
子ども食堂の取り組みが広がりました。
👧安倍政権の時は保育料が無償になって、我が家は恩恵を受けたけれども
福祉の一部には経済的支援が行き届いていなかったということでもあるんだな、、、
持続可能な運営のための課題
陥っています。
現在の運営はフードドライブ(家庭や企業からの食品寄付)に
頼る形が多いですが、それだけでは安定的な運営が難しく
なっています。
そのため、以下の対策が求められています。
-
食材提供の仕組み:子ども食堂向けに卸価格での食材提供を
可能にする仕組み
-
企業・自治体からの継続的な補助:財政面での支援強化
-
適正な料金設定:完全無料ではなく、支払える人には
支払ってもらう方式
国の支援のあり方
(変更されている場合がありますので最新情報は各自でお調べください)
-
農林水産省:政府備蓄米の無償交付
(2024年9月から通年申請化) -
こども家庭庁:子どもの居場所支援として補助金を提供
-
文部科学省:学校給食との連携や食育支援
(ただし、子ども食堂特化の施策は限定的) -
厚生労働省:生活困窮世帯支援と連携し、補助金や
助成金を提供
一部を補助する制度を実施しています。
企業と連携した持続可能な支援モデル
企業との連携は、子ども食堂の持続可能性を高める重要な要素です。
例えば、
-
日本マクドナルド:食材支援を提供
-
味の素グループ「アジパンダ食堂」:フードロス削減と
子ども食堂支援を組み合わせたプロジェクトを展開
-
伊藤園:お茶や飲料の寄付を実施
- イオン:「子ども食堂応援キャンペーン」で売上の一部を寄付
このような企業の支援は、食材提供だけでなく、資金援助や地域との
連携強化にもつながります。
🏢企業が支援することで、子ども食堂の認知にも繋がりますね
世界の子ども食堂の事例
日本の子ども食堂と似た取り組みは、海外にも存在します。
たとえば、
-
アメリカ:「サマーフードサービスプログラム(SFSP)」など、
公的機関が無料または低価格で食事を提供 -
ドイツ:「タフェル(Tafel)」というフードバンクが
低所得者向けに安価な食事を提供 -
フランス:「レストラン・ソリデール」として、低所得家庭の
子どもや高齢者に格安で食事を提供 -
イギリス:「ハーフターム・フードプログラム」により、
学校休暇中の食事を確保
日本でも持続可能な運営モデルを確立していくことが求められています。
子ども食堂の未来に向けて
拡大しています。しかし、食材価格の高騰や運営資金の不足などの
課題も多く、今後はフードドライブに頼らない仕組み作りや、
国・自治体の支援強化が不可欠です。
また、都市部では企業との連携、地方では農産物の余剰活用など、
地域特性に応じた運営方法を確立することが重要です。子どもが安心して
通える場所を守るために、社会全体で支える仕組みを構築する必要が
あるでしょう。
今日のソーシャル
家庭の他にも第二の居場所があることは、子どもにとって大切だと
思いました。
そこで、食事が提供されるのであれば、その必要性は尚更です。
筆者も住まいの近くで子ども食堂の手伝いができないか調べてみましたが
なんとか支援が届けば、、と思います。
お手伝いでも寄付でも、支援する形は様々。
|
コメント
コメントを投稿